温故知新 〜凡人が賢人になるために〜

株式会社イードア代表 中村 裕のコンサルタントブログです。

社会変容の時代に、個人はどう生きるべきか

何をするにも内的なものが外的なものを引き起こすとはいえ、それでも人生の全てを自分でコントロールできる時代ではなくなりつつあるのではないかと思っています。

たとえば、東京都は2024年度から都立高校・大学などの授業料を実質無償化すると発表しました。
インフレが進む昨今、児童手当の拡充もあり、東京で子どもを育てるための敷居を下げる取り組みは積極的に進められています。
しかし、ほかの46都道府県が同じ状況かといえばそうではありません。

「東京一極集中」という言葉がある通り、東京と地方で得られる優遇に差があるとなれば、より良い環境へと人は集まるようになる。
もちろん東京に限らず、今後は地域間の競争が激化し、選ばれる自治体と選ばれない自治体が出てくるのかもしれません。
ピーク時には約1.3億人いた日本の人口も数十年後には半減していくなかで、47都道府県という区割りそのものが限界を迎え、リサイズされていく可能性もあります。

同じことは基礎自治体だけでなく、大学などの教育機関や、人を雇用する企業にも当てはまります。
住む場所、学ぶ場所、働く場所をいかに選ぶのか。
環境は淘汰され、価値観も変わっていく。
選択によって得られる優遇も変わるとなれば、個人は自分なりの意思や目的を持ち、自分を幸せにするための取捨選択をするしかありません。

個人の選択にかかわらず、否が応でも社会が変容していく時代、外的要因に一喜一憂したり、妬みや怒りのような負の感情を抱かず生きるには、自分の物差しを持って生きることが必要になる。
誰かに幸せにしてもらうのではなく、社会をきちんとモニタリングして、自分自身の立ち位置を把握していくこと。
当たり前ではありますが、それが昨今の社会変容から読み解ける個人の生存術なのではないかと思います。