顧客が不満やニーズを自覚し、モノやサービスを探しに行き、選択する。
このような一連の体験は、これまでユーザー主導のものでした。
しかし最近は、その前提が揺らぎつつあります。
AIエージェントが台頭し、ユーザーに価値を届けるラストワンマイルを握る今、顧客のニーズはより潜在的な段階からAI上に集積されていきます。
些細な悩み事や興味関心、まだ形になりきっていない言葉の数々が日々投げかけられ、ストレージされていく。
そこにある情報は、従来の検索履歴よりもっと人に見られたら恥ずかしい内容も含むものかもしれません。
より本音に近く、より深い欲求の断片のようなもの。
もしAIエージェントが、そうした蓄積を理解し、個人の代理人として機能しはじめたなら、「欲しい」と自覚する前に、その人の次の行動が決まっていく。
そんな世界になったとき、ニーズが顕在化してから届けようとする設計では、ビジネスとして成立しづらくなってくるのではないかと考えています。
HRの領域で言えば、人が「転職したい」という意思を持つ前に、キャリアの内部認知が形成されていく。
より潜在的な状態から、行動体験が設計されていく。
その変化の過程にどう関わるかが、問われる時代になるのではないかと思っています。